
三菱化学は、幅広い産業界の皆様に多種多様な製品を供給する総合化学メーカーの責務として、品質問題やPL(製造物責任)問題の未然防止を図るとともに、安全・安心な製品供給を通じてお客様満足度の向上に努めています。
この責務を果たすために、三菱化学ではこれまで、法令やお客様との契約・約束事項を遵守するための社内体制を整えてきました。2011年度は、経営上の最重要課題の一つとして位置づけている「コンプライアンスの強化」を目的として、2010年度から実施している品質保証部門の体制の明確化、および品質検査データの内部検証システム(社内規程の見直しや監査)の強化を推進し、お客様からの信頼により応えられるようにしました。
また、品質検査データのセキュリティ強化を目的として、品質検査データ管理システムの改造を進めました。製品の品質安定化とともに、品質関連データの信頼性についても改善を図っています。欧州のELV指令※1やRoHS指令※2、REACH規則※3に見られるように、製品のライフサイクル全体において製品ごとに含有される化学物質を適正に管理し、情報開示することへの要請が世界的に高まっています。
三菱化学では、これらの指令・規則に的確に対応していくために、2006年度から製品ごとに含有される特別管理物質の情報を確実に管理・伝達する「グリーン情報管理システム」の運用を開始しました。
また、サプライチェーン(素材メーカーから最終製品メーカー間のプロセス)において製品含有化学物質情報の迅速かつ効率的な伝達を可能にするために、アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)※4 が提供し、国内で普及・標準化しつつある「MSDSplus,AIS※5 」を使用して、製品含有化学物質情報の入手・提供を行うことを推進しています。
5ヵ年の新中期経営計画APTSIS 15の初年度である2011年度は、社内の調査データから「MSDSplus,AIS」を自動的に作成し、JAMPのITシステム「JAMP-GP/AS※6」 を介して、「MSDSplus,AIS」や関連情報を入手・提供できるように「グリーン情報管理システム」を改造しました。
三菱化学は、原材料メーカーおよびお客様とともに、サプライチェーンを通して化学物質を管理できる社会システムの構築に貢献していきたいと考えています。
※1 ELV(End of Life Vehicles)指令:自動車への特定有害物質の使用を制限し、廃車時のリサイクルを円滑にすることを目的とするEU(欧州連合)の指令で、2003年7月1日以降に登録される新車について、一部の代替技術の確立が困難な部品を除き重金属(鉛、カドミウム、水銀、六価クロム)の使用禁止を要求するもの ※2 RoHS(Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment)指令:EUにて販売される電気電子機器に含まれる特定物質の使用禁止を定めた指令で、重金属(鉛、カドミウム、水銀、六価クロム)と特定臭素系難燃剤(PBB、PBDE)の使用を全廃するようメーカーに要求しているもの(2006年7月よりEU各国にて施行) ※3 REACH(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)規則:化学物質からの人の健康と環境の安全性確保のため、EU域内で流通する化学物質の登録・評価・認可を規制し、リスク管理が必要な化学物質とその使用方法について制限する制度 ※4 アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP:Joint Article Management Promotion-consortium):サプライチェーンにおいて、部品や成形品(アーティクル)の含有化学物質に関する情報の適切な管理と開示、伝達を図るための業界横断組織 ※5 MSDSplus,AIS:製品に含有される化学物質の情報を、素材メーカーから最終製品メーカーまで伝達するための共通シートで、製品が化学品(化学物質またはその混合物)の場合にはMSDSplusを、製品が成形品の場合にはAISを使用する。 ※6 JAMP-GP(JAMP-Global Portal)/ AS (Application Service):化学物質の情報交換の基盤となるシステム