AWARD 2009 アワード 2009
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受賞作品発表『柏木博賞』

SAIBAIMAN

高須賀 活良(東京造形大学 デザイン学部 テキスタイル学科)
プロダクトデザイン
SAIBAIMAN
SAIBAIMAN
制作意図
昔、人は身の回りにある自然を利用して生きてきた。食物を自然の中から得ていたように、衣服もまた自然の恵みの中から生み出したものだった。今、暮らしは大量生産、大量消費というサイクルにとって変わった。日々の暮らしと密接に関わっていた衣服は、目まぐるしいスピードで消費されるファッションという形になった。しかし、このような時代だから思い出してほしい。大地から始まる服の物語を。生命体としての服を。
担当教官推薦コメント
日本では古来から、人々は身近にある植物の蔓、茎、葉、樹皮などから繊維を取り出し、それを編む、組む、織るなどして布をつくった。高須賀の布もそんな布である。大学の校内の森から採取した、葛、苧麻、楮、竹、トウモロコシ、在学中に旅した国内外の地域からは、野蚕、科(シナ)などから糸を引き、績み、紡ぎ、と糸作りに没頭してきた。繊維を取り出したあとは、それらを経糸として、緯糸として織り上げ、仕上げには砧打ち(きぬたうち)をして、練りと光沢をだす。高須賀の創る形は、曲線よりも直線が偏愛されており、そのために衣服としての機能をもちながらも鳥、昆虫、動物のようにも見える。それぞれには材料の論理的な背景を探りながら、しかし、素材に対して自分自身が何を感じ、反応するかを自分の感覚を総動員し、韻律的な衝動に身を任せて作品をつくっている。作者には、テキスタイルを構成する素材には、純粋に彫刻的な機能があるんだ、という強い確信があるのだろう。作者の周りには、いつの間にか、緊張感と生命感にみちた造形が構築されているという具合に。(須藤 玲子
審査員選評
さまざまな植物の繊維をテキスタイルに使うことは、おそらく古くから行われていたにちがいありません。けれども、現在のわたしたちはそのことをすっかり忘れてしまっていました。高須賀活良さんの作品『SAIBAIMAN』は、そうした植物が生み出す布の記憶を甦らせるものです。そして、植物を育てる土の力、水そして陽光を想起させます。そこから生まれたテキスタイルは、さまざまな表情を持ち、とても美しく感じられました。
作者の受賞コメント
高須賀 活良 大地からモノを立ち上げるんだ!と、言い放ち、制作し始めた『SAIBAIMAN』振り返ってみると、幼い頃から虫や植物が好きで、気がつくと大学に入ってからも自然の中ではしゃいでました。畑を耕すところから始めたプロジェクトだったのですが、結果、この様な素晴らしい賞をいただき、とても嬉しいです。協力して下さった皆様、本当に有難うございました。
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