AWARD 2012 アワード 2012
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受賞作品発表『坂井直樹賞』

Re:Sound Bottle

藤原 惇(多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科)
コミュニケーションデザイン
Re:Sound Bottle
Re:Sound Bottle
制作意図
録音した音声が音楽として再生されるボトル型の音楽メディア。データベース化された既存の音源を、形式的かつ無機的な行動の繰り返しによって管理・鑑賞する現代の音楽メディア。それらを扱う習慣に物足りなさを覚え、変化のある体験型音楽メディアを創りたいと考えた。日常の音声を音楽の構成要素に用いることで、普段何気なく耳にする音の無限の可能性や音楽の楽しさを再認識し、その時ならではの固有の音楽を体感してほしい。
担当教官推薦コメント
「Re:Sound Bottle」は、ボトルと音楽をモチーフにした作品である。ボトルと音楽と言うと、MITメディアラボの石井裕教授の代表作「Music Bottles」を想像する人も少なくないだろう。「Music Bottles」はタンジブルユーザーインターフェイスの世界を切り開いた作品として世界で高く評価されている。作者の藤原君も石井氏の作品のことは当然よく知っており、その研究を調べた上で自身の作品に取り組んだ。その結果「Re:Sound Bottle」は「Music Bottles」をリスペクトしながらも、まったく違う新しい作品として生まれた。「Re:Sound Bottle」はその名前が示すように、環境の音を採集してそれを素材としてもう一度音楽を作り出す、エンターテインメント作品である。ボトルを持った状態での蓋の開け閉めによって空間に浮遊する音を捕まえ、ボトルを置いた状態で蓋を開けることで音楽として解き放ち、ボトルを振ることで採取した音を逃がす。人の自然な振る舞いをインターフェイスに取り入れたことで、誰もが自然に操作できる作品となっている。そして何よりも「Re:Sound Bottle」はユーザーに自分で音楽を創り出すことの楽しみを与えている点が素晴らしい。実際、デモで「Re:Sound Bottle」を使うと誰もが楽しくなって、何度も自分で音楽を作りそれを人に聞かせたくなる。音楽を構成する音の要素は自分で採集するので理解出来ているが、それがどのような音楽となって生まれてくるかは分からないため、それが楽しくなって何度も操作してしまうのである。生まれてくる音楽は実はプログラムによって人が気持ち良く感じる音楽となるように設計されている。しかし自然な振る舞いによって創られるために、ユーザーは自分自身が気持ちよい音楽を創ったと感じる。その意味で「Re:Sound Bottle」は人の振る舞いとモノと音楽を高いレベルでナチュラル且つエモーショナルに融合することに成功した作品であり、その点を高く評価する。(宮崎 光弘
審査員選評
毎回、1人が試し始めると周りに他の審査員の方が集まってくる作品がある。「Re:Sound Bottle」もそんな作品のひとつだった。作者のコメントにもあったように、感覚的な音との触れ合いにより生まれたコミュニケーションであると言えるだろう。また、石井裕教授の「Music Bottles」の持つエンターテイメント性に注目し、音を創り出す機能を加えることで、新たな側面を持つ作品となっているのが面白い。
作者の受賞コメント
藤原 惇 この度は、坂井直樹さんの特別賞をいただくことができ、大変嬉しく思っています。多くのアドバイスや技術的なサポートをしてくださった所属ゼミの教授や学科の先生方、そして仲間の支えがあったからこそいただけた賞です。最高の方々に恵まれて、つくづく自分は運がいい人間です。今後も、より多くのことに感謝、感動し、表現する、クリエイティブな人生を楽しんでいけたらと思っています。本当にありがとうございました。
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