AWARD 2013 アワード 2013
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受賞作品発表『水野誠一賞』

x-ray portrait

神田 彩子、林 真由香(武蔵野美術大学 造形学部 基礎デザイン学科)
コミュニケーションデザイン
x-ray portrait
x-ray portrait
制作意図
この制作はレントゲン撮影を用いて、日常的に知覚している二人の情報を排除し、意識下の「ふたり」を描こうとする試みである。CTスキャンとレントゲンを使い実際に複数のペアの撮影を行った。CTスキャンやレントゲンによる画像は物質に過ぎない人間の肉体の有限性を映し出すが、「ふたり」のx-ray写真は通常では映し出されることのなかった内的な心情の存在を浮かび上がらせてくるかもしれない。
担当教官推薦コメント
神田彩子と林真由香は、X線によるポートレイトの撮影を試みた。骨格の重なりとしての人間の相同と差異がそこには映し出されていて、ふたりの人間のポートレイトとして秀逸な着眼が見いだせる。X線写真を芸術表現に用いた事例は既に多数あり、男女の接吻シーンをX線で撮影したレトリカルな作例もある。しかし神田と林の作品は、肉を透過して骨だけが残るヴィジュアルを前提とした、端的に象徴的なふたりの人間の肖像をとらえるべく、撮影姿勢が綿密に計算されている点に秀逸さがある。特に「双子」の身体の透過的重なりが示す限りない近似と、それゆえに露になる個体的差異に、ポートレイトとしての独創性が示された。放射線量の制限によって極めて限定された撮影機会の中で実行された緻密な制作プロセスは評価に値し、また画像も美しく、高度な叙情性をもって定着されている。(原 研哉
審査員選評
こういうポートレートがかつて存在しただろうか?この作品は、CTスキャンとレントゲン撮影を用いて、日常的に見慣れている表層の表現ではなく、意識下の「ふたり」を描こうとしている。医療データでしか過ぎなかった人間の骨格写真が、双子の姉妹や恋人同士という「ふたり」になることによって、普通の写真では映し出しきれない内的な心情までも浮かび上がらせてくれるのが、実に不思議ではないか。
作者の受賞コメント
神田 彩子、林 真由香
(左)神田 彩子、(右)林 真由香
このような名誉ある賞をいただけて、大変嬉しく思っています。協力してくださった方々に心から感謝しています。なにか一つでも欠けていたら、この作品は成り立ちませんでした。つくることが本当に楽しかった一年間でした。
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